骨粗鬆症診療の進歩 骨折の予防と克服をめざして
骨粗鬆症とはどのような疾患か? 骨粗鬆症の疫学を知る
吉村 典子
1
1東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター関節疾患総合研究講座
キーワード:
骨折
,
骨粗鬆症
,
人種
,
脊椎骨折
,
大腿骨頸部骨折
,
発生率
,
有病率
,
国際保健
Keyword:
Femoral Neck Fractures
,
Osteoporosis
,
Global Health
,
Incidence
,
Prevalence
,
Spinal Fractures
,
Continental Population Groups
,
Fractures, Bone
pp.418-423
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009305733
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
骨粗鬆症の有病率と有病者数:骨粗鬆症の有病率は腰椎L2-4で男性3.4%、女性19.2%、大腿骨頸部で男性12.4%、女性26.5%であった。骨粗鬆症の発生率:腰椎骨密度で診断した骨粗鬆症の発生率は、1年間に約0.6%、女性では2.3%であった。骨粗鬆症による骨折の発生率:全国規模の調査結果から、2007年の大腿骨頸部骨折罹患者数は148,100人(男31,300人、女116,800人)と推計された。一方、10年間の脊椎椎体骨折の累積発生率は60歳代男性で5.1%、女性で14%、70歳代男性で10.8%、女性で22.2%であった。わが国の骨粗鬆症の頻度は、白人よりも少なく、アフリカ系アメリカ人よりも多いが、骨量減少の度合いは白人よりもゆるやかである。日本人の大腿骨頸部骨折発生率は白人と比較すると低いが、脊椎椎体骨折は米国人より高い。
©Nankodo Co., Ltd., 2009