発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009247969
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
41歳女。健診で高血糖を指摘されるも放置していたところ、発熱、左背部痛が出現した。左背部に圧痛を伴う20cm大の発赤・びらんを認め、胸部CTでは巨大な炎症像を示し、膿瘍が疑われた。検査所見では高度の炎症所見を認め、呼吸性に代償された代謝性アシドーシスがみられ、アニオンギャップの開大、尿ケトン体陽性、血中乳酸値正常より、糖尿病性ケトアシドーシスと診断した。生理食塩水点滴、速効型インスリンの持続注入療法を開始し、入院翌日に血糖値は200~250mg/dlとなった。膵島関連自己抗体は陰性で、尿中C-ペプチド値は92~151μg/dayであったことより2型糖尿病と診断し、インスリン療法を継続した。合併症は特に認めず、腎症については第1期と考えられた。膿瘍に対しては切開排膿、デブリードマンを施行し、Picillibacta、Dalacinの静脈投与を開始した。膿瘍の培養でMSSAが検出され、創部の洗浄および抗生物質投与を継続したところ、膿瘍は縮小傾向を示し、外来で洗浄を施行することとし退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009