発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009247970
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64歳男。3年前に低Mg、Ca、K血症で入院加療を受けていた。今回、テタニー、全身脱力感が出現し、CK高値、ミオグロビン高値、低Mg血症、低Ca血症、低K血症を認めた。iPTHは正常下限の17pg/mlで、1,25(OH)2-vit.D3値は高値、甲状腺、レニン、アルドステロンは正常範囲内であった。硫酸Mg、グルコン酸Ca、KClを点滴し、Mg、Kは改善したが、Caは低値であった。酸化Mg内服に変更したところ、Caも正常化し退院となった。しかし、酸化Mg内服で下痢を来たすため自己中断していたところ、退院2ヵ月後に再燃し再入院となった。低Mg血症の原因検索のため、Ca、K製剤内服下に水酸化Mg経口負荷試験を行ったところ、負荷前の尿中Mg、Ca、Kの排泄は低値であったが、負荷後はMg、Ca排泄が増加し、小腸からのMg吸収障害が主因と考えられた。血清電解質は改善し正常化したが、その後脳梗塞で死亡し、病理解剖を行った。副甲状腺には特に所見はなく、小腸、大腸に器質疾患は認めず、最終的に原発性低Mg血症と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009