発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009247968
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45歳男。濾胞性リンパ腫に対してrituximab併用CHASE療法(R-CHASE)を施行し、1コース終了後に発熱性好中球減少症を併発したためcefepimeを投与したところ、体幹中心の皮膚紅斑、口腔びらんが出現した。皮膚生検でStevens-Johnson症候群と診断されステロイド療法を行い、改善後にR-CHASEを再開し、3コースで寛解となった。更に造血幹細胞移植併用大量化学療法を予定し、高用量のgranulocyte-colony stimulating factor投与による末梢血幹細胞採取を行い、十分量の幹細胞が採取されたが、その後労作時の呼吸困難が出現した。胸部X線で肺野の透過性亢進、横隔膜の平低化を、CTでは両肺の過膨張、肺野のmosaic perfusion patternを認めた。閉塞性細気管支炎を疑い、吸入ステロイド、気管支拡張吸入薬、経口ステロイド投与を行ったが効果なく、肺炎、CO2ナルコーシスを併発し、呼吸困難出現から8ヵ月後に死亡した。剖検肺の病理所見で、細気管支に加え小気管支にも線維組織による閉塞、炎症細胞浸潤を認め、bronchobronchiolitis obliteransと診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009