脂質異常症 基本を踏まえた実践
こんな病態にはどうすべきか? 脳血管障害
北川 一夫
1
1大阪大学 大学院神経内科学
キーワード:
Cholesterol
,
冠動脈疾患
,
危険因子
,
脂質異常症
,
動脈硬化症-アテローム性
,
脳血管障害
,
臨床試験
,
HMG-CoA Reductase Inhibitors
,
多施設共同研究
Keyword:
Cholesterol
,
Coronary Disease
,
Clinical Trials as Topic
,
Cerebrovascular Disorders
,
Risk Factors
,
Multicenter Studies as Topic
,
Hydroxymethylglutaryl-CoA Reductase Inhibitors
,
Dyslipidemias
,
Atherosclerosis
pp.100-104
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009072547
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従来、あまり関連がないとされた脳卒中と脂質異常症の関係は、各種臨床大規模試験でスタチンの脳卒中発症予防効果が示され、俄然、脚光を浴びている。中でもスタチンの脳卒中再発予防効果を証明したSPARCL研究は、今後の脳梗塞再発予防のための脂質管理を考えるうえで、重要な情報を提供している。脳卒中は心筋梗塞と異なり成因がさまざまであるので、スタチンがすべての病型の予防に有用とはいえず、アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞で、もっとも有効性が期待される。脂質と脳卒中の関係は、「the paradox of cholesterol and stroke」と評されるように一見複雑であるが、スタチンには脂質低下作用以外にプラーク安定化作用、内皮機能改善効果などが存在し、これらが複合して脳梗塞発症、再発予防効果に寄与していると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2009