冠動脈疾患をめぐる最近の話題
冠動脈疾患の薬物治療の臨床エビデンス 急性冠症候群における積極的脂質低下療法
宮内 克己
1
1順天堂大学 医学部循環器内科
キーワード:
LDL Cholesterol
,
冠動脈疾患
,
危険因子
,
抗炎症剤
,
脂質低下剤
,
動脈硬化症-アテローム性
,
臨床試験
,
HMG-CoA Reductase Inhibitors
,
多施設共同研究
,
メタアナリシス
,
二次予防
,
急性冠動脈症候群
,
Pleiotropic効果
Keyword:
Hypolipidemic Agents
,
Anti-Inflammatory Agents
,
Coronary Disease
,
Clinical Trials as Topic
,
Cholesterol, LDL
,
Risk Factors
,
Meta-Analysis as Topic
,
Multicenter Studies as Topic
,
Hydroxymethylglutaryl-CoA Reductase Inhibitors
,
Atherosclerosis
,
Acute Coronary Syndrome
,
Secondary Prevention
pp.443-446
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007325571
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二次予防において、スタチンによる脂質低下療法は、その低下の程度に相関して心血管事故を低下させ、また、LDL-コレステロール(LDL-C)値100mg/dlまでの低下は心血管事故を確実に減少させる。不安定プラークをもつため予後不良とされる急性冠症候群(ACS)については、スタチンを早期から高用量で投与する積極的脂質低下療法によってLDL-C値を70mg/dlまで低下させ、プラークの退縮・安定化、そして心血管事故の有意な減少が明らかになった。その機序としてLDL-C値低下だけでなく、抗炎症作用も重要な役割を担っている。今後、リスクの層別化、とくに不安定プラークが臨床的に容易に同定できれば、スタチンの適応はさらに広がる可能性がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2007