脂質異常症 基本を踏まえた実践
こんな病態にはどうすべきか? 腎疾患・CKD
四方 賢一
1
1岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
キーワード:
Clofibric Acid
,
HDL Cholesterol
,
LDL Cholesterol
,
横紋筋融解症
,
危険因子
,
脂質異常症
,
糸球体濾過率
,
タンパク尿
,
HMG-CoA Reductase Inhibitors
,
基準値
,
診療ガイドライン
,
慢性腎臓病
Keyword:
Clofibric Acid
,
Glomerular Filtration Rate
,
Cholesterol, HDL
,
Cholesterol, LDL
,
Risk Factors
,
Proteinuria
,
Rhabdomyolysis
,
Reference Values
,
Practice Guidelines as Topic
,
Hydroxymethylglutaryl-CoA Reductase Inhibitors
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Dyslipidemias
pp.96-99
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009072546
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慢性腎臓病(CKD)は、米国において最初に提唱された疾患概念であり、蛋白尿とGFRの低下によって診断される慢性的な腎障害を総称したものである。CKDにおいては、LDLコレステロールと中性脂質の軽度上昇と、HDLコレステロールの低下傾向を認めることが多いが、ネフローゼ症候群をきたした場合には、リポ蛋白合成亢進と代謝低下に伴う著明な高LDLコレステロール血症をきたす。一方、総コレステロール、非HDLコレステロールの上昇とHDLコレステロールの低下がCKD発症の危険因子であることが明らかにされている。CKDにおける脂質管理の目標値に関するエビデンスは少ないが、日本腎臓学会による『CKD診療ガイド』では、LDLコレステロール120mg/dl未満(可能であれば100mg/dl未満)を管理目標値とすることを推奨している。スタチンとフィブラート系薬には、いずれも横紋筋融解症の副作用が報告されているが、腎機能障害時にはとくにフィブラート系薬による横紋筋融解症の危険性が高くなるため、注意が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009