冠動脈疾患をめぐる最近の話題
冠動脈疾患の薬物治療の臨床エビデンス 高脂血症治療と冠動脈疾患の発症予防
浅井 邦也
1
,
水野 杏一
1日本医科大学 循環器内科
キーワード:
Clofibric Acid
,
LDL Cholesterol
,
Triglycerides
,
一次予防
,
冠動脈疾患
,
脂質異常症
,
糖尿病
,
発生率
,
臨床試験
,
EBM
,
HMG-CoA Reductase Inhibitors
,
多施設共同研究
,
二次予防
Keyword:
Coronary Disease
,
Clinical Trials as Topic
,
Clofibric Acid
,
Diabetes Mellitus
,
Cholesterol, LDL
,
Primary Prevention
,
Triglycerides
,
Incidence
,
Multicenter Studies as Topic
,
Evidence-Based Medicine
,
Hydroxymethylglutaryl-CoA Reductase Inhibitors
,
Dyslipidemias
,
Secondary Prevention
pp.415-422
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007325567
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冠動脈疾患発症予防は主にLDLコレステロール(LDL-C)低下治療が第一目標で、そのエビデンスのほとんどがスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)治療である。スタチンによる冠動脈疾患の一次・二次予防効果は明らかである。その治療効果は、糖尿病を含む高リスク例や冠動脈疾患発症の急性期からの治療においても認められるが、高リスク群では積極的なLDL-C低下治療が必要である。フィブラート系薬剤による冠動脈疾患予防効果のエビデンスも報告されつつあり、中性脂肪が高値でかつLDL-Cが正常もしくは軽度上昇、HDL-Cが低値の例ではその効果が期待される。わが国のエビデンスもいくつか報告され、スタチンによる予防効果が証明された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007