感染症の治療 抗菌薬を使いこなそう
抗菌薬を使いこなすための知識 薬物からみた抗菌薬の特徴を知ろう PK/PDに基づく抗菌薬の適正使用
松山 賢治
1
1慶応義塾大学 薬学部臨床薬学
キーワード:
Aminoglycosides
,
Creatinine
,
Vancomycin
,
感染
,
抗感染剤
,
腎臓疾患
,
薬物動態学
,
コンピュータシミュレーション
,
血中濃度-時間曲線下面積
,
医薬品適正使用
,
薬力学
,
Beta-Lactams
,
Creatinine Clearance
,
最小発育阻止濃度
Keyword:
Aminoglycosides
,
Anti-Infective Agents
,
Computer Simulation
,
Creatinine
,
Infection
,
Kidney Diseases
,
Pharmacokinetics
,
Microbial Sensitivity Tests
,
Vancomycin
,
Area Under Curve
,
beta-Lactams
pp.933-937
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008377922
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アミノグリコシド系抗菌薬など濃度依存性の薬物は、1日1回の投与方法が有効性の面からも、副作用回避の観点からも優れている。コンピューターシミュレーションの結果、濃度依存性のβ-ラクタム系抗菌薬は、MICが上昇するに従い、1日2回の分割投与ではtime above MIC%(TAM)の増加はむずかしく、3~4回分割投与が最適である。腎機能低下患者におけるvancomycinの投与方法において、クレアチニンクリアランスに応じて投与量を算出するMoelleringのノモグラムは、透析患者などでは投与量が過小に算出されるおそれがあり、不適切である。一方、Matzkeらにより提唱されているノモグラムは、まずクレアチニンクリアランスに応じた投与間隔を算出し、初回25mg/kg、2回目以降からは19mg/kgを投与しながらピーク濃度を30μg/kg、トラフ濃度を7.5μg/kgに調節する方法であり、PK/PDの観点からもっとも合理的である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008