感染症の治療 抗菌薬を使いこなそう
特殊な病態における抗菌薬の選択と使い方 注意を要する抗菌薬の使い方 高齢者における抗菌薬の使い方
吉田 耕一郎
1
,
二木 芳人
,
小司 久司
1昭和大学 医学部臨床感染症学
キーワード:
易感染性宿主
,
感染
,
抗感染剤
,
腎臓疾患
,
肺炎-嚥下性
,
薬物動態学
,
高齢者
,
血中濃度-時間曲線下面積
,
医薬品適正使用
Keyword:
Aged
,
Anti-Infective Agents
,
Infection
,
Kidney Diseases
,
Pharmacokinetics
,
Pneumonia, Aspiration
,
Immunocompromised Host
,
Area Under Curve
pp.889-891
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008377911
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高齢者では、さまざまな生理機能が若年成人と比して低下している。感染症の重症化や複雑化、抗菌薬による有害事象の発生などには、若年成人以上に注意が必要である。明らかな腎不全を認めない高齢者においても、潜在的に腎機能が低下している症例は多い。多くの抗菌薬は腎排泄性であるため、高齢者では腎からの薬物排泄が遅延し、血中濃度が予想以上に上昇したり、血中濃度曲線下面積が拡大する場合も少なくない。高齢者の感染症治療を成功させる一つの鍵は、若年成人と異なる特徴を知り、過不足のない抗菌療法を心がけることである。
©Nankodo Co., Ltd., 2008