感染症の治療 抗菌薬を使いこなそう
特殊な病態における抗菌薬の選択と使い方 注意を要する抗菌薬の使い方 薬物アレルギーを有する患者への抗菌薬投与
松瀬 厚人
1
,
福島 千鶴
,
河野 茂
1長崎大学 医学部第二内科
キーワード:
アナフィラキシー
,
感染
,
抗感染剤
,
薬疹
,
皮膚テスト
,
病歴聴取
,
過敏症-薬物
,
薬歴
Keyword:
Anaphylaxis
,
Anti-Infective Agents
,
Drug Eruptions
,
Drug Hypersensitivity
,
Infection
,
Medical History Taking
,
Skin Tests
pp.905-909
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008377915
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薬物アレルギーとは、薬物に対するIgE抗体や感作リンパ球などが関与する免疫学的機序によって発生する異常薬物反応であり、非免疫学的機序によって発症する副反応とは区別されるべきである。抗菌薬アレルギーでもっとも頻度が高いのは薬疹であり、アナフィラキシーショックはまれである。抗菌薬アレルギーの診断においては、薬歴と発症経過の詳細な問診が重要であり、即時型アレルギーが関与する患者では、皮膚テストを行う。即時型アレルギーが関与することが疑われる抗菌薬アレルギー患者に抗菌薬を投与する際には、側鎖構造などから被疑薬と交叉抗原性が低い薬剤を選択し、皮膚テスト陰性を確認してから、慎重に抗菌薬を投与する。
©Nankodo Co., Ltd., 2008