発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008149328
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44歳女。38歳時に軽度の認知症状が出現し、軽微な錐体路徴候・失調症状が慢性に経過していたが、急激に昏睡に陥り救急搬送された。体温は38.9℃で再発性口腔内アフタを多数認め、髄液検査では細胞数が41/μl、糖が57mg/dlであった。頭部MRIでは延髄から橋にかけてT2およびFLAIRで高信号域を認め、入院翌日には呼吸状態が悪化して人工呼吸管理となった。HLAタイプがB51陽性であったため、神経ベーチェット病による脳幹脳炎と考えステロイドパルス療法およびプレドニゾロン投与を開始した。2ヵ月後には前頭葉徴候・感情失禁が出現し、嚥下障害も認め胃瘻を造設したが、髄液細胞数は正常となりMRIでも脳幹部の高信号域は消失したため、車椅子・経管栄養状態でリハビリ病院に転院した。その後在宅療養を行っていたが、寝たきり状態のまま46歳で死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008