発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006320929
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53歳男.高血圧,アルコール性肝障害を指摘されていた.一過性健忘,ふらつき,複視,眼振が出現し受診した.脳MRIでは基底核の小ラクナ梗塞のみで,脳幹に病変はほとんどなく,飲酒減量で軽快した.再び飲酒量が増し,複視,ふらつき,嘔吐があり,左上肢のしびれも出現した.脳CTでは前回同様の所見のみで経過観察となった.血圧が200/80mmHgとなり,降圧薬,制吐薬を処方したが,症状が悪化し,意識障害も出現した.制吐薬,ビタミンB群の点滴を開始したが,意識は昏迷状態に悪化した.Bickerstaff脳幹脳炎と考え,二重膜濾過血漿交換(DFPP)を開始した.初回のDFPP後より意識障害は著明に改善した.複視も軽快,上肢腱反射は弱陽性に,Babinski徴候は陰性となった
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