発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008149329
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15歳男。貧血を主訴とした。小学生時より貧血と気管支喘息・アレルギー性鼻炎を指摘されていたが、後者の治療のみ受けていた。初診時の血液検査で平均赤血球容積が63flと極端に小さく、Mentzer indexも10.2と非常に低下していた。貧血の家族歴もあったため、サラセミアを疑いHgbの電気泳動を行ったが、Hgb A2やHgb Fの増加は認めなかった。初診から8年後の遺伝子解析にて母親とともにαグロビン遺伝子2個を含む約20kbの遺伝子欠失(--/αα)を認め、東南アジア型αサラセミアと確定診断した。息子は軽い精神遅滞があり、ATR-16の存在が疑われたが、遺伝子分析による証明はできていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008