発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008110828
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54歳、女。右前腕滑膜肉腫手術の既往があった。右側胸部痛を自覚し、胸部X線正面側面像で軽度の右側胸水貯留を認めた。入院後にCRPの増加、右側胸水の増加を認め、抗菌薬使用下に胸腔ドレナージを行い退院となった。約1ヵ月後、胸痛増悪と右胸腔背側に血腫を疑う巨大な腫瘤性病変を認め、増大したため胸膜剥皮+血腫除去術を施行した。病理組織学的に腺管構造を呈する上皮性細胞と紡錘形細胞が混在する二相型で、右前腕滑膜肉腫と同様の所見であった。免疫染色ではともにvimentin陽性を認めた。滑膜肉腫の胸膜転移と診断し、全身化学療法を望まなかったため疼痛に対する硫酸モルヒネ徐放錠を開始した。その後も腫瘍は増大し、発症11ヵ月後に呼吸不全で永眠した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008