発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008110827
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
85歳、女。帯状疱疹のためvalaciclovirを処方された。内服前の血清クレアチニンは正常範囲内であった。内服3日目より嘔吐し、徐々に傾眠傾向をきたした。入院時、意識障害、腎性急性腎不全を認めた。valaciclovir内服に伴う急性腎不全の結果生じたaciclovir中毒と考え、内服を全て中止して補液のみを行った。意識状態、腎機能は改善し、入院11日目に退院となった。後日の血漿中aciclovir濃度測定では、最終内服から約24時間後において異常高値(22.8μg/ml)であり、約60時間後では6.94μg/mlに低下していた。また、血漿中aciclovir濃度の消失動態解析では、500mgを単回内服した健康成人に比べ6倍以上に血漿中の消失が遷延していたことが判明した。最終服用後の最大血漿中濃度を試算したところ、健康成人と比較して異常高値であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008