投稿論文 症例
外傷性血腫様の外観を呈し転移性悪性腫瘍が疑われた義眼床結膜腫瘍の1例
藤田 明日香
1
,
永松 将吾
,
河本 遥
,
内木 敏雄
,
佐々木 彩乃
,
森 慶一
,
有廣 光司
,
横田 和典
1広島大学病院 形成外科
キーワード:
眼外傷
,
義眼
,
血腫
,
結膜腫瘍
,
鑑別診断
,
肺腫瘍
,
致死的転帰
,
胸部CT
,
頭部CT
Keyword:
Eye, Artificial
,
Fatal Outcome
,
Lung Neoplasms
,
Hematoma
,
Eye Injuries
,
Conjunctival Neoplasms
,
Diagnosis, Differential
pp.225-231
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2022163889
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症例は88歳男性で、約1ヵ月半前に転倒して義眼装用中の右眼部を打撲し、右眼部の出血が持続するため前医を受診した。前医では下眼瞼結膜嚢の挫創を指摘され、受傷後18日目に結膜嚢の縫合処置を受けたが創離開を繰り返し、眼瞼外に血腫様腫瘤を認め、受傷後38日目に当科紹介となった。初診時、右眼部に30×20mm大の表面易出血性の血腫様腫瘤を認め、造影CTでは右眼窩内に造影効果を呈する病変を認めた。出血が持続しており、血腫の疑いで腫瘍切除術を行った。本症例では病理学的に腫瘍の組織型を特定することはできなかったが、肺癌を原発とする転移性腫瘍の可能性が示唆された。
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