分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
移植・免疫療法・遺伝子治療 白血病の遺伝子治療
花園 豊
1
1自治医科大学分子病態治療研究センター 再生医学研究部
キーワード:
Interleukin-2
,
遺伝子導入
,
遺伝学的治療
,
HLA抗原
,
造血幹細胞
,
白血病
,
腫瘍浸潤リンパ球
,
DNAワクチン
,
MDR遺伝子
,
自殺遺伝子
Keyword:
Hematopoietic Stem Cells
,
HLA Antigens
,
Leukemia
,
Interleukin-2
,
Lymphocytes, Tumor-Infiltrating
,
Genetic Therapy
,
Gene Transfer Techniques
,
Vaccines, DNA
,
Genes, MDR
,
Genes, Transgenic, Suicide
pp.314-318
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003466
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全世界で行われた遺伝子治療臨床試験1,260件の約2/3(842件)が、癌に対するものである(2007年1月現在)。腫瘍細胞に毒素・自殺遺伝子を導入する試み以外にも、癌患者の抗腫瘍免疫能を増強したり、癌患者の正常組織を化学療法の毒性から守る遺伝子治療が検討されてきた。しかし、遺伝子治療による癌細胞の完全な退縮は今のところむずかしい。白血病に対する遺伝子治療でも事情は同じである。遺伝子導入効率がまだ不十分であること、また、遺伝子導入細胞に対する宿主免疫反応といった問題がある。本稿では、今までの癌遺伝子治療を振り返るとともに、ほかでは触れられることの少なかった、血液腫瘍患者における遺伝子標識試験を紹介する。
©Nankodo Co., Ltd., 2007