分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
移植・免疫療法・遺伝子治療 腫瘍特異的免疫療法
藤原 弘
1
,
安川 正貴
1愛媛大学 大学院医学系研究科生体統御内科学
キーワード:
白血病
,
免疫療法
,
bcr-abl融合タンパク質
,
サブユニットワクチン
,
WT1 Proteins
,
Myeloblastin
Keyword:
Leukemia
,
Immunotherapy
,
Fusion Proteins, bcr-abl
,
WT1 Proteins
,
Vaccines, Subunit
,
Myeloblastin
pp.309-313
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003465
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白血病に対する同種造血幹細胞移植の結果から、ドナー由来のTリンパ球が白血病細胞の増殖を制御し、治療効果に寄与することが示された(移植片対白血病効果)。近年の基礎免疫学・分子生物学の進歩は、白血病特異的腫瘍抗原ならびにT細胞認識エピトープの同定を可能とし、白血病特異的細胞傷害性Tリンパ球誘導を目的とした癌ペプチドワクチン療法が開発されつつある。早期臨床試験での白血病に対するペプチドワクチン療法の効果は、現時点においては必ずしも満足できるものではない。その投与方法の最適化や適応症例の選択とともに、背景にある効果減弱に関わる免疫学的機序も明らかにされつつあり、これらの問題点の克服による治療効果の向上が期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2007