急性腎障害(AKI)-概念の確認から、さらなる予後改善を目指して
《先進的治療》AKIにおける遺伝子治療の可能性
藤垣 嘉秀
1
1浜松医科大学 第一内科
キーワード:
遺伝子導入
,
遺伝学的治療
,
急性腎障害
Keyword:
Genetic Therapy
,
Gene Transfer Techniques
,
Acute Kidney Injury
pp.452-454
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012335888
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●AKI動物モデルにおいて尿細管細胞への遺伝子導入に関し多くの方法論が集積され、炎症、細胞ストレス応答、細胞増殖・分化誘導などの分子を標的とした遺伝子治療が試みられ、障害軽減効果が報告されている。●AKIでの尿細管細胞死はアポトーシスのみならずオートファジー、ネクロトーシスやfratricideの関与も示されており、その制御には、分子機構のさらなる解明が必要である。●ヒトAKIへの遺伝子治療の応用は、効果的な標的遺伝子の同定、遺伝子導入の安全性確保、AKI特有の遺伝子導入のタイミングや方法の確立、治療に十分な遺伝子の発現量や期間の確保と制御の克服が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012