B型肝炎の新たな治療展開
B型肝炎の自然史・病態理解 B型肝炎と肝発癌
中本 安成
1
,
金子 周一
1金沢大学 大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
肝炎-B型
,
B型肝炎ウイルス
,
肝細胞癌
,
腫瘍過程
,
カルシウムシグナル伝達
Keyword:
Hepatitis B
,
Hepatitis B virus
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplastic Processes
,
Calcium Signaling
pp.643-646
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007346144
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B型肝炎を背景とする肝発癌の機序として、ウイルス側因子と宿主側因子が作用している。ウイルス側因子として、HBVゲノムの組み込み、HBx蛋白、large S蛋白が癌化を促進している。中でもHBx蛋白による、癌遺伝子蛋白Ras-Raf1-MAPキナーゼ系・癌抑制遺伝子蛋白p53・RNAポリメラーゼ・Srcキナーゼ系のカルシウムシグナルへの作用が注目されている。宿主側因子として、長年にわたる炎症の持続が発癌ポテンシャルを著明に亢進することが明らかとなっており、その機序として、CD8陽性Tリンパ球が発現するFasリガンドが深く関与している。
©Nankodo Co., Ltd., 2007