B型肝炎の新たな治療展開
B型肝炎ウイルスの基本的理解のために Occult B型肝炎ウイルス感染
四柳 宏
1
1東京大学医学部附属病院 感染症内科・感染制御部
キーワード:
肝炎-B型
,
B型肝炎ウイルス
,
肝細胞癌
,
B型肝炎表面抗原
,
肝炎-B型-慢性
Keyword:
Hepatitis B
,
Hepatitis B Surface Antigens
,
Hepatitis B virus
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Hepatitis B, Chronic
pp.631-633
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007346141
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occult HBV感染とは、血清HBs抗原陰性であるにもかかわらず、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染している状態である。HBs抗原が陰性となる機序として、ウイルス遺伝子の変異に加え、肝内でのウイルス増殖が宿主の細胞性免疫によって抑制されていることがあげられる。occult HBV感染が問題になる状況として、(1)急性肝炎(輸血後肝炎)、(2)肝移植後のHBV感染、(3)免疫抑制に伴うウイルス再活性化、(4)慢性肝炎(occult HBV感染、あるいは他の慢性肝疾患との合併)、(5)肝細胞癌(occult HBV感染、あるいは他の慢性肝疾患との合併)、があげられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007