B型肝炎の新たな治療展開
B型肝炎の自然史・病態理解 B型肝癌診療の実態
池田 健次
1
1虎の門病院肝臓センター 肝臓科
キーワード:
肝炎-B型
,
肝炎-C型
,
B型肝炎ウイルス
,
肝硬変
,
肝細胞癌
,
腫瘍過程
Keyword:
Hepatitis B
,
Hepatitis B virus
,
Hepatitis C
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Liver Cirrhosis
,
Neoplastic Processes
pp.647-652
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007346145
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B型慢性肝炎でもC型と同様、予後規定因子としては、肝癌出現によることが多い。当院で腹腔鏡肝生検にてB型慢性肝炎・肝硬変と診断した例では、無治療での肝癌発癌率は、それぞれ5年後では3%・20%、10年後では7%・30%であった。慢性肝炎か肝硬変かで発癌率が大きく異なること以外に、将来の発癌率に寄与する要因としては、慢性肝炎病期・多飲酒歴・高年齢・男性・低い血小板数・e抗原陽性などの要因が発癌率を高める独立要因であった。肝癌はC型よりやや大きく発見される傾向があり、トランスアミナーゼ正常の安定した慢性肝炎の高危険群への囲い込みや、画像診断によるスクリーニング法などでの工夫が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007