肝細胞癌update 2012
肝発癌機構の最新の知見
小池 和彦
1
1東京大学 消化器内科
キーワード:
ウイルス遺伝子
,
活性酸素
,
肝炎-B型
,
肝炎-C型
,
B型肝炎ウイルス
,
ヘパシウイルス
,
肝臓腫瘍
,
変異
,
腫瘍過程
,
年齢因子
,
B型肝炎ウイルスXタンパク質
,
C型肝炎ウイルスヌクレオキャプシドタンパク質
Keyword:
Age Factors
,
Hepatitis B
,
Genes, Viral
,
Hepatitis B virus
,
Hepatitis C
,
Liver Neoplasms
,
Neoplastic Processes
,
Mutation
,
Hepacivirus
,
Reactive Oxygen Species
,
Hepatitis B Virus X Protein
pp.121-125
発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012133337
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
C型およびB型慢性肝炎における肝発癌にかかわる因子として、炎症とウイルス自体の働きが想定される。ウイルス肝炎の高頻度かつ多中心性という特徴ある肝発癌は、炎症のみでは説明しがたい。ウイルス因子としては、ウイルスゲノムの組み込み、ウイルス蛋白の働きなどがある。肝炎ウイルスの存在は、多段階発癌のステップを昇らせると考えられる。近年、年齢因子の重要性が認識されている。70歳以上のC型慢性肝炎患者では、肝硬変の有無による肝癌リスク絞り込みは成立しない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012