発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007018852
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48歳女。42歳時に褐色細胞腫のため左副腎摘出術、46歳時に右肋骨転移のため肋骨切除術、47歳時に両脇肺転移のため胸腔鏡下摘出術を受け、多発性転移を伴う悪性褐色細胞腫の診断で術後も泌尿器科外来を受診していた。左下腹部圧痛があり、大腸と小腸は拡張するも腹部血管の閉塞所見はなく麻痺性イレウスと考えた。四肢末梢の著明な冷感とチアノーゼを認め、筋原性酵素上昇の原因は悪性褐色細胞腫による過剰なカテコラミン分泌が関与した横紋筋融解症と推測された。動脈圧の高値、動脈血ガス分析はアニオンギャップの上昇を伴う著明な代謝性アシドーシスを認め、血清カリウム値も上昇し乏尿から無尿となった。また、呼吸状態悪化により人工呼吸器装着となり持続血液濾過透析(CHDF)を3日間連続で施行し、ステロイド薬投与も行ったが筋組織の崩壊は著しく、循環動態は改善せずDICを併発し死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006