GERD診療の最前線 胃酸逆流への対応
食道胃接合部の癌の内視鏡的治療
角嶋 直美
1
,
藤城 光弘
,
小田島 慎也
,
村木 洋介
,
建石 綾子
,
小俣 政男
1東京大学 消化器内科
キーワード:
胃腫瘍
,
食道胃接合部
,
食道腫瘍
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Esophageal Neoplasms
,
Esophagogastric Junction
,
Stomach Neoplasms
pp.662-665
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007018842
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
食道胃接合部(EGJ)という部位においても、良好な視野を保ち、出血および穿孔を極力減らす工夫により、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を安全に完遂しうる。今回われわれは、30症例のEGJ病変に対する、ESDの有効性および安全性について検討した。病変の一括切除率は97%(29/30例)であり、全例に詳細な病理学的評価が可能であった。偶発症としては、後出血例はなく、穿孔例を1例認めたが保存的治療で軽快した。現状では、EGJ癌に対する病理学的な扱いはまだ定まっていないが、確実な病理学的評価をもとに、リンパ節転移のリスクを予想し、その後の治療方針を決定することが重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2006