食道胃接合部癌のすべて
食道胃接合部癌の縦隔郭清
黒川 幸典
1
,
宮崎 安弘
,
牧野 知紀
,
高橋 剛
,
山崎 誠
,
中島 清一
,
瀧口 修司
,
森 正樹
,
土岐 祐一郎
1大阪大学 消化器外科学
キーワード:
胃腫瘍
,
縦隔腫瘍
,
リンパ行性転移
,
食道胃接合部
,
食道腫瘍
,
腺癌
,
リンパ節郭清
,
EBM
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Esophageal Neoplasms
,
Esophagogastric Junction
,
Mediastinal Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Lymphatic Metastasis
,
Stomach Neoplasms
,
Evidence-Based Medicine
pp.403-407
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015188089
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食道胃接合部癌は,腹腔内だけでなく縦隔内のリンパ節にも高率に転移を生じるが,縦隔リンパ節を郭清するためのアプローチ法としては主に3種類ある.これらの優劣を比較するランダム化比較試験が国内外で実施された結果,SiewertI型の腺癌に対しては右開胸アプローチ,食道浸潤長が3cm以内のSiewertII・III型の腺癌に対しては,開腹経裂孔アプローチが標準的と考えられている.また,国内8施設での後ろ向き研究の結果では,扁平上皮癌や食道浸潤長が3cmを超える腺癌は,上・中縦隔リンパ節への転移や再発が比較的高率であった.食道胃接合部癌に対する至適郭清範囲を調べるため,日本胃癌学会・日本食道学会合同の多施設共同前向き試験が現在進行中である.
©Nankodo Co., Ltd., 2015