GERD診療の最前線 胃酸逆流への対応
GERDとBarrett食道・Barrett腺癌の関連
河野 辰幸
1
,
荻谷 一男
,
中島 康晃
,
西蔭 徹郎
,
小嶋 一幸
,
永井 鑑
1東京医科歯科大学医学部附属病院 食道・胃外科
キーワード:
Barrett食道
,
胃食道逆流
,
食道腫瘍
,
腺癌
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Barrett Esophagus
,
Esophageal Neoplasms
,
Gastroesophageal Reflux
pp.657-661
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007018841
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食道の円柱上皮/腸上皮化生粘膜は食道腺癌の発生母地として重要で、その発生と進展には、胃食道逆流と逆流性食道炎が重要な役割を担っていることが明らかにされている。胃から連続する円柱上皮で覆われる食道は円柱上皮食道と呼ばれ、わが国ではBarrett食道と同義であるが、欧米では腺癌発生リスクの見地から、腸上皮化生のみられるもののみをBarrett食道と呼ぶことが多いなど、定義を巡る基本的な問題が残されている。現在なお、ほとんどの食道癌が扁平上皮癌で、逆流性食道炎も軽症例の多いわが国では、胃食道逆流症(GERD)の有無にかかわらず、食道胃接合部付近の腺癌全体を視野に入れての診療や研究が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2006