発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005108612
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心室内伝導障害を伴う慢性心不全に対する新しい非薬物治療法として,両室ペーシングによる心臓再同期療法(CRT)が注目されている.現時点では,心電図上QRS幅>130msec,左室駆出率<35%を伴う薬物治療抵抗性の中等度から重症慢性心不全症例が適応と考えられている.多施設臨床試験ではCRTによる自覚症状・運動耐容能・QOLの改善,心拍出量・収縮期血圧・脈圧の有意な増大,肺動脈楔入圧の有意な減少,僧帽弁逆流減少などの心機能および血行動態の改善が報告されている.欧米ではすでに植込み型除細動器機能を併せもつCRT装置が使用されており,心不全患者における生命予後のさらなる改善が期待されている
©Nankodo Co., Ltd., 2005