特集 植込みデバイスによる不整脈・心不全の診断・治療はどう変貌したか-現状と将来の展望-
識る 心室多点ペーシング、左室4極電極リード
山崎 浩
1
1筑波大学 医学医療系循環器内科
キーワード:
心室
,
人工心臓ペーシング
,
心不全
,
植込み型電極
,
心臓再同期療法
Keyword:
Cardiac Pacing, Artificial
,
Electrodes, Implanted
,
Heart Ventricles
,
Heart Failure
,
Cardiac Resynchronization Therapy
pp.174-179
発行日 2017年2月9日
Published Date 2017/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017130943
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
心臓再同期療法は,薬剤抵抗性心不全患者の予後を改善させる確立された治療法 であり,QRS幅の拡大した(≧150 msec)左脚ブロック症例において,その有 効性が高いことが報告されている。しかしながら,左脚ブロックでQRS < 150 msecの症例や非左脚ブロック症例に対する心臓再同期療法の効果は必ず しも良好ではなく,克服すべき大きな課題と考えられている。また,左室瘢痕組 織の存在・横隔神経刺激や刺激閾値が高値であるために至適な冠静脈でペーシン グを行うことが困難である場合にも,心臓再同期療法の有効性が十分得られない 要因となる。心室多点ペーシングや左室4極ペーシングリードの使用は,従来の 心臓再同期療法と比較して,より広い範囲の心室や標的血管でペーシングを行う ことを可能とし,心臓再同期療法後のノンレスポンダーを少なくすることができ る治療法として期待されている。本稿では,心室多点ペーシング・左室4極ペー シングリードの有効性・課題に関して概説する。
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.