発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005061242
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食生活の欧米化と高齢化により日本人の胆石保有率は増加傾向にある.肥満の40歳以上の中年女性に多く,妊娠中はホルモンの関係や子宮の増大などにより胆石を生成しやすい.妊娠時には画像診断や使用薬剤などに制限がある.腹部エコー検査やMRIなどの非侵襲的な検査手技の進歩や普及により,妊娠時の腹痛などの発症時の検査や治療の手段が充実してきた.妊娠時における胆石症の治療の原則は対症療法であるが,改善しない場合や妊娠中に再発した場合には手術療法を考慮する.手術時期は,妊娠12週までは胎児の器官形成が完成していないために,麻酔や手術の胎児への何らかの影響を考慮して,可能であれば手術は2nd trimester(妊娠第2期)に行うのが望ましい.胆嚢炎や胆管炎が増悪し胎児や母体が危険な状態と考えるときには手術療法を考慮する
©Nankodo Co., Ltd., 2005