発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004159544
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61歳男.主訴は労作時呼吸困難.心臓カテーテル検査では,右室造影で流出路に筋組織の突出がみられ,流入側と流出路間の圧較差は50mmHgであった.左室造影で心室中隔基部に右室側へ大きな瘤状の突出があり,その一部に更に小さな瘤を認めた.大きな瘤の先端から右室へのシャント血流がみられた.心臓MRIでは心室中隔基部に左室から右室への膜様の瘤状突出がみられた.右室狭窄部切除術・心室中隔閉鎖術を施行し,病理所見では小腫瘤の1個は器質化した血栓成分様組織のみであったが,もう1個は内部に新鮮血液があり表面は弁組織で覆われており,三尖弁嚢と考えられた.術前より閉塞性呼吸障害の合併があり,術後呼吸困難感は完全には消失しなかったが,改善は認められている.術後合併症はみられなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2004