臨床室
薬剤溶出性ステント留置患者への人工膝関節置換術後に発生したステント内血栓症により心停止を起こし緊急経皮的冠動脈インターベンションにより救命しえた1例
増井 文昭
1
,
谷口 優
,
斎藤 雅人
,
尾立 和彦
,
伊藤 吉賢
,
白旗 敏克
1千葉西総合病院 整形外科・関節外科センター
キーワード:
Heparin
,
X線診断
,
血栓症
,
術後合併症
,
心電図
,
心停止
,
電気的除細動
,
冠血管造影
,
バルーンレーザー血管形成術
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
,
緊急手術
,
薬剤溶出性ステント
,
経皮的冠状動脈インターベンション
,
休薬
Keyword:
Electric Countershock
,
Electrocardiography
,
Heparin
,
Heart Arrest
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Thrombosis
,
Coronary Angiography
,
Angioplasty, Balloon, Laser-Assisted
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Osteoarthritis, Knee
,
Drug-Eluting Stents
,
Percutaneous Coronary Intervention
pp.1083-1087
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017399270
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68歳男性。変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術の目的で入院となった。既往歴として心筋梗塞に対し薬剤溶出性ステント(DES)を留置していた。術前検査では陳旧性下壁心筋梗塞所見のみで手術可能な状態であると診断され、術前にアスピリンおよびワルファリンカリウムを休薬の上で、ヘパリン置換を施行した。人工膝関節置換術中・帰室時のバイタルサインに異常はみられなかったが、帰室後約3時間で突然、意識低下と心停止をきたした。緊急の冠動脈造影所見よりステント内血栓症による心停止と診断され、緊急経皮的冠動脈インターベンションを施行したところ、心機能や全身状態は回復し、その後の経過は良好であった。術後6ヵ月現在、可動域は-10°~110°で、疼痛なく歩行可能である。
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