臨床室
妊婦に発生したcrowned dens syndromeの1例
戸口 淳
1
,
秋山 典彦
,
小見渕 伸正
,
高橋 健一
,
堀内 静夫
,
原 弘明
,
李 龍姫
1川崎協同病院 整形外科
キーワード:
Calcium Pyrophosphate
,
X線診断
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
妊娠合併症
,
Crowned Dens症候群
,
頸椎装具
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Calcium Pyrophosphate
,
Pregnancy Complications
,
Radiography
pp.19-22
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017306971
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31歳女性(妊娠18週)。頸部痛・発熱が出現し近医を受診後、頸部脊椎炎の疑いで紹介となった。頸椎単純X線像では傾斜はなかったが、中間位側面像では後彎化を認め、動態撮影での屈曲・伸展ROMは著明に制限されていた。また、単純CTでは横断像で歯突起右側前方に高吸収域を認めた。矢状断像では歯突起上方に、冠状断像では歯突起右側上方と左外側環軸関節周囲に高吸収域を認めた。以上より、歯突起周囲・左環軸関節に石灰化を生じた結晶誘発性関節炎によるcrowned dens syndrome(CDS)と診断した。治療は、治療効果と結晶の同定の観点から環軸関節穿刺の必要性を考えたが、妊娠時の侵襲から行わず、保存的に頸椎カラー、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服を行なった。4日目には頸部痛は著明に改善、11日目には頸部痛、ROM制限は消失した。
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