発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012220015
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症例は77歳女性で、約3年前から両臀部~下肢外後面の疼痛、しびれによる間欠跛行があり、近医整形外科で腰部脊柱管狭窄症と診断され、保存的治療を受けたが徐々に悪化した。腰部MRIでL4にMeyerding分類I度の変性すべり症を伴うL4/L5高位での全周性の脊柱管狭窄を認め、内視鏡下腰椎椎弓切除術を施行した。術翌日には症状は改善したが、夜間から発熱が生じ、更に頸部痛、頸椎可動域制限を来たし、血液検査でCRP上昇が認められた。感染症を疑い、抗生物質投与を行った改善がなく、術後5日目に膝関節の腫脹が出現した。膝関節X線で関節裂隙に石灰化像を認め、頸椎CTでも軸椎歯突起周囲に石灰化像が認められた。crowned dens syndromeと診断し、抗生物質を中止してロキソプロフェンナトリウム180mg/日、プレドニゾロン5mg/日の投与を開始した。症状は速やかに消失し、経過良好で9日目に退院した。術後1年経過し、症状の再燃はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012