症例
腓骨頭周囲に発生した結節性偽痛風の1例
有吉 彰子
1
,
原田 祐子
,
徳田 修
,
松永 尚文
1済生会下関総合病院 放射線科
キーワード:
Calcium Pyrophosphate
,
X線診断
,
偏光顕微鏡検査法
,
骨疾患
,
MRI
,
軟骨石灰化症
,
腓骨
Keyword:
Calcium Pyrophosphate
,
Bone Diseases
,
Chondrocalcinosis
,
Fibula
,
Microscopy, Polarization
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
pp.477-481
発行日 2016年3月10日
Published Date 2016/3/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016250383
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症例は80歳代女性で、デイサービスで入浴中に介助者が左膝腫脹に気づき受診した。屈曲時に痛みを認めたが、腫瘤の触知は困難であった。X線で左腓骨頭上方から骨内に進展する石灰化腫瘤を認め、腫瘤の境界は明瞭で、複数の石灰化結節を認めた。CTで左腓骨頭上方から骨内へ進展する腫瘤は、辺縁に強い石灰化を有する小結節が集簇し、腓骨の皮質にも硬化性結節を認めた。造影MRIではCTで強い石灰化を示す領域はT1、T2強調とも低信号で、脂肪抑制プロトン密度強調では内部に点状~小結節状の低信号を呈し、網目状の増強効果を認めた。病変尾側の石灰化が軽微な領域は、T2強調、プロトン密度強調で高信号を示し、強い増強効果を認めた。滑膜骨軟骨腫症を疑って切開生検を行った。被膜を有する硬い腫瘤で、内部に白色石灰様の内容物が多数摘出され、結節性偽痛風と診断された。
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