臨床室
深指屈筋腱膜のfractional lengtheningにより治療した陳旧性Volkmann拘縮の1例
中村 研太
1
,
岩本 卓士
,
松村 昇
,
越智 健介
,
佐藤 和毅
,
戸山 芳昭
,
中村 雅也
,
松本 守雄
1慶応義塾大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
MRI
,
尺骨骨折
,
橈骨骨折
,
虚血性拘縮
,
関節角度測定
,
深指屈筋
,
腱膜
Keyword:
Aponeurosis
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Radius Fractures
,
Ulna Fractures
,
Arthrometry, Articular
,
Ischemic Contracture
pp.429-432
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017275235
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15歳男。11歳時に左橈尺骨骨幹部骨折に対する保存的治療後に中指・環指の伸展に気付き、理学療法を行ったが改善していなかった。初診時、左手関節の可動域(ROM)は軽度の回外制限を認め、中指・環指は手関節中間位に伸展制限を認めた。単純X線で橈尺骨幹部に彎曲を認め、MRIでは前腕の明らかな筋肉の変性等を認めなかった。以上より、陳旧性Volkmann拘縮(津下分類:軽症型)と診断し、手術を行った。術中所見にて筋肉自体の変性は軽度で機能は保持されていると判断し、痙性麻痺手に対する深指屈筋腱膜のみのfractional lengtheningを行った。ROMは改善し、術後1年で健側と同等の回復が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017