臨床室
橈骨頭骨折を合併した上腕三頭筋腱肘頭付着部裂離骨折の1例
松本 祐希
1
,
水掫 貴満
,
江川 琢也
,
門野 邦彦
,
仲川 喜之
1宇陀市立病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨ねじ
,
MRI
,
尺骨骨折
,
神経ブロック
,
X線CT
,
橈骨骨折
,
インターベンショナル超音波診断
,
三次元イメージング
,
骨折-剥離
,
上腕筋
,
肘頭突起
,
スーチャーアンカー
,
腱-骨付着部
Keyword:
Fractures, Avulsion
,
Bone Screws
,
Fracture Fixation, Internal
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Nerve Block
,
Radiography
,
Radius Fractures
,
Ulna Fractures
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
,
Ultrasonography, Interventional
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Suture Anchors
,
Olecranon Process
pp.1245-1247
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015042177
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症例は34歳男で、椅子から前のめりに転落して左手をつき、左肘痛が出現した。左肘から左前腕の腫脹、可動域制限、伸展筋力低下があり、X線およびCTでMason分類type IIの橈骨頭骨折と、肘頭の近位に粉砕を伴った上腕三頭筋付着部と思われる裂離骨折を認めた。伝達麻酔下にKocherの拡大アプローチを用いて観血的整復固定術を施行し、橈骨頭を後外側に脱臼させて橈骨頭の転位骨片を整復した後、DTJ Screw 2本で内固定した。上腕三頭筋の表層部は損傷しておらず、深層部が骨片を伴って肘頭から剥離していた。肘頭の剥離骨折にパナロックループアンカーを2本挿入し、上腕三頭筋をグラブスーチャーで引き寄せた。また骨片を背側から押さえ込むため、骨折部より遠位に骨孔を作成し、上腕三頭筋に通した2号エチボンド糸を通してsuture bridgeの形で締結した。術後1年のX線で骨癒合を認め、肘関節の可動域制限や筋力の患健差もなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014