臨床室
リセドロン酸ナトリウム水和物による薬物性肝障害をきたした骨Paget病の1例
井上 三四郎
1
,
田中 宗浩
,
中村 吏
,
吉田 裕俊
,
幸 和博
,
井上 隆
1国立病院機構福岡東医療センター 整形外科
キーワード:
Ursodeoxycholic Acid
,
薬物性肝障害
,
骨炎-変形性
,
MRI
,
鑑別診断
,
X線CT
,
放射性核種イメージング
,
Risedronic Acid
,
画像ガイド下生検
Keyword:
Risedronate Sodium
,
Diagnosis, Differential
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Osteitis Deformans
,
Radionuclide Imaging
,
Ursodeoxycholic Acid
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Chemical and Drug Induced Liver Injury
,
Image-Guided Biopsy
pp.423-427
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017275234
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56歳男。アルカリホスファターゼ(ALP)高値のため、4年前より外来にて経過観察されていた。腰痛が出現したため、CT、MRI、骨シンチグラムを行ったところ、各所見でL5およびS1に骨透亮像、T2強調像で高信号、異常集積が認められた。CTガイド下針生検では、悪性所見は認められなかった。以上より、骨Paget病(PDB)と診断し、リセドロン酸ナトリウム水和物(リセドロン酸)連日8週間投与を行ったところ、ALP値は正常となった。しかし、投与終了後、AST、ALT、γ-GTPが上昇し、終了2週間後にALPも再上昇した。PDBの再燃ではなく、リセドロン酸による薬物性肝障害に伴ってALPが上昇したと考えられ、ピーク時はALT 117U/l、ALP 373U/lであったことより、混合型肝障害と診断された。
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