臨床室
母指中手指節関節屈曲位ロッキングの2例
丸山 俊明
1
,
大坪 晋
,
阿部 里恵
,
嶋村 正俊
1松山市民病院 整形外科
キーワード:
X線CT
,
中手指節関節
,
母指
,
整形外科的マニピュレーション
,
骨棘
,
関節角度測定
,
関節ロッキング
Keyword:
Manipulation, Orthopedic
,
Metacarpophalangeal Joint
,
Thumb
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Arthrometry, Articular
,
Osteophyte
pp.433-436
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017275236
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症例1は35歳女性で、歩行中に転倒し、左母指の伸展障害をきたした。10年前に左母指MP関節軟骨骨折の既往歴がある。左母指中手指節(MP)は90度屈曲位で、CT所見はMP関節の基節骨関節面は亜脱臼位を呈し、中手骨骨頭掌側に小骨片が認められた。徒手整復を行ったところ、MP関節の自動伸展が可能となった。症例2は38歳男性で、階段で転倒し、右母指の伸展障害をきたした。右母指外傷の既往歴がある。右母指MP関節は30度屈曲位で、単純X線、CT所見では第1中手骨骨頭掌側橈側に大きな骨棘、背側に小骨片が認められた。手術にて骨棘に捕捉された靱帯の切離および骨棘の切除を行った。術後2ヵ月、関節運動の障害の訴えはなく経過良好である。
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