臨床室
剥離骨折を伴った新鮮膝蓋骨脱臼に対して内側支持機構一次修復術を施行した1例
家村 駿輝
1
,
横井 一之
,
田中 誠人
,
鍜治 大祐
,
杉本 啓紀
,
篠原 靖司
,
田中 康仁
1岸和田市立岸和田市民病院 整形外科
キーワード:
関節鏡法
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
スポーツ障害
,
X線CT
,
骨折-剥離
,
膝蓋骨脱臼
Keyword:
Fractures, Avulsion
,
Arthroscopy
,
Bone Wires
,
Athletic Injuries
,
Fracture Fixation, Internal
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Patellar Dislocation
pp.338-340
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017272420
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16歳男。部活動(野球部)のベースランニング中に右膝を捻り受傷した。右膝痛が出現し、歩行困難となったため当院受診し、画像所見より剥離骨折を伴う新鮮膝蓋骨脱臼と診断した。膝蓋骨は徒手整復が可能であったが、整復直後に容易に外側へ再脱臼し、整復位を保持することは困難であった。外固定による保存的治療は不可能であると判断し、手術的治療(内側支持機構一次修復術)を選択した。膝蓋骨にKirschner鋼線で骨孔を作製し、あらかじめファイバーワイヤーを通した後、新鮮剥離骨片を骨吸収ピンで膝蓋骨母床に固定した。次に、内側支持組織を骨孔に通しておいたファイバーワイヤーを用いて膝関節伸展位で固定し補強した。最後に内側膝蓋支帯を軽度オーバーラップしながら縫縮し手術終了とした。術後2ヵ月半よりキャッチボール、3ヵ月よりバッティング、ジャンプ、反復横跳びなどを開始し、術後6ヵ月で完全復帰とし、問題なく野球のプレーが可能であった。
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