発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010044186
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61歳女性。患者は25歳時より糖尿病にてインスリン加療中であったが、右足部打撲後に右足の腫脹が持続し、受傷2ヵ月後に右鼠径部の疼痛が出現したため、著者らの施設へ精査入院となった。精査の結果、足部蜂窩織炎と糖尿病性神経障害を伴う陳旧性踵骨裂離骨折と診断され、足部蜂窩織炎に対して抗生物質の点滴投与を開始し、同時に糖尿病治療も開始された。その結果、治療開始1ヵ月後には炎症所見が沈静化し、血糖コントロールも良好となった。以後、陳旧性踵骨裂離骨折に対しアキレス腱の機能不全を認めたため、骨接合術と自家骨移植を施行したところ、術後約3ヵ月で骨癒合が得られた一方、表層感染を生じた。だが、抗生物質の投与と術後8週間の免荷を徹底させた結果、感染は治癒した。目下、術後6ヵ月経過で歩行は安定し、階段昇降も可能となっている。
©Nankodo Co., Ltd., 2009