発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017272413
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当センターにおけるスクラビング法とラビング法における人工股関節全置換術(THA)後の早期創部感染症発生率、各々の手洗いにかかる経費を比較検討した。2013年7月~2015年7月のラビング法施行後の1350例、2010年1月~2013年7月におけるスクラビング法による1350例を対象とした。術後90日以内の創部感染は、スクラビング法で16例(1.2%)に認められ、深部感染4例(0.3%)、表層感染12例(0.89%)であった。ラビング法では12例(0.89%)に認められ、深部感染4例(0.3%)、表層感染8例(0.59%)であり、両感染に統計的有意差はなかった。手洗いにかかる経費の比較検討では、当センター1件あたり約1500円、年間にして約100万円削減される計算となった。以上、術後早期感染症発生率、経費削減の面からもラビング法は人工股関節置換術時の手指消毒法において有効な方法であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017