発行日 2004年7月20日
Published Date 2004/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004274697
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一期的再置換術を施行した感染人工股関節12例12関節(男4例・女8例,平均67歳)について検討した.術前病名は変形性股関節症10関節,関節リウマチ1関節,血友病性関節症1関節で,感染罹患期間は5ヵ月~8年であった.手術はコンポーネントを抜去した後,関節周囲の滑膜や瘢痕組織のデブリドマンを徹底的に行い,骨セメントをできるだけ除去した.臼蓋側の骨欠損部には抗生物質含浸セラミックを充填し,臼蓋補強十字プレートで臼蓋を補強した後,抗生物質混合骨セメントでソケットを固定した.ステム側も弛みのない遠位部以外のセメントは除去し,抗菌薬を混ぜた骨セメントで固定した.術後2年6ヵ月~7年10ヵ月で,再手術はMRSA感染が鎮静化せず2年後にGirdlestoneを行った1例のみであった.他にCRPが陰性化せず感染の持続が危惧されたのが3関節,X線像で弛みを認めたのは3関節であった.痛みの程度とX線所見による評価は,excellentが6関節,goodが2関節,fairが3関節,poorが1関節であった.poorは再手術例で,fairは免疫不全による感染再発,MRSAとCNSの混合感染,感染巣掻爬不十分例であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004