経験と考察
発症から治癒まで経過観察をしたKohler病
都野田 真健
1
,
岩田 浩志
,
金子 浩史
,
古橋 弘基
,
服部 義
1名古屋記念病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
足根骨
,
骨端症
,
待機療法
Keyword:
Radiography
,
Tarsal Bones
,
Osteochondrosis
,
Watchful Waiting
pp.219-223
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017145984
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Koehler病発症から足舟状骨が正常化するまで経過観察し得た3例について報告した。症例1は4歳10ヵ月男で、初診時には左足痛による跛行と左足舟状骨部の圧痛があり、X線像で両側の足舟状骨に骨硬化像と不整像を認めた。症例2は4歳11ヵ月男で、出生時より両手足変形にて経過観察されており、発症前からX線像で経過を追うことができた。症例3は7歳5ヵ月男で、初診時には左足痛による跛行と左足舟状骨部の圧痛を認め、MRIで経過を観察できた。全例、ギプス治療は行わず、激しい運動を控える程度の運動制限(症例2は足底板使用)で経過観察したところ、症状は平均10ヵ月で完全に消失し、X線所見は平均25ヵ月で正常化した。Koehler病の診断には臨床症状と画像所見の一致が必要であると考えられた。
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