発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014042065
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症例は32歳男性で、フットサル試合中にボールをキックした際に軸足の右膝が屈曲位で内旋外反強制され、膝崩れを自覚し以後膝伸展や立位が困難となった。初診時所見では右膝関節の疼痛と腫脹、膝蓋骨下縁から脛骨粗面の間で膝蓋腱の陥凹を触知した。また膝関節可動域(ROM)は0°~30°に制限され下肢伸展挙上は不可能で、Lachmanテストは陽性であった。MRI矢状断像では膝蓋腱の断裂と膝蓋腱の深層に連続するOsgood-Schlatter病(OSD)の遺残骨片と前十字靱帯(ACL)の大腿骨側付着部付近での断裂を認めた。MRI冠状断像で大腿骨外側顆に骨挫傷を認め、以上の所見より、ACL損傷とOSD遺残骨片の解離を伴う膝蓋腱断裂の合併損傷と診断し、膝蓋腱修復術を施行した。術後経過は膝蓋骨高位はInsall-Salvati比0.75に改善し、術後12ヵ月の時点で左膝可動域は伸展0°、屈曲140°まで得られ、自動伸展不全は認めず、日常生活は問題なくレクリエーションレベルのスポーツも可能な状態となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013