臨床室
非定型大腿骨骨幹部骨折の髄内釘手術1年後に同側の遅発性大腿骨近位部骨折を生じた1例
有沢 章子
1
,
池渕 公博
,
青木 信之
,
村田 淳
1金沢医科大学氷見市民病院 整形外科
キーワード:
股関節部骨折
,
髄内固定法
,
骨ネイル
,
術後合併症
,
大腿骨頸部骨折
,
大腿骨骨折
,
股関節置換術
,
膝関節置換術
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Bone Nails
,
Femoral Fractures
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Femoral Neck Fractures
,
Hip Fractures
,
Postoperative Complications
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Osteoporotic Fractures
pp.1268-1270
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017060214
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80歳女。骨粗鬆症に対しリセドロン酸ナトリウム水和物とビタミンK2製剤が処方され、その数ヵ月後より右大腿部痛を自覚していた。3年以上経過後に歩行中に転倒して強い右大腿部痛を生じ、右大腿骨骨幹部外側に不全骨折を認めた。非定型大腿骨骨折の診断のもと保存的治療を開始し、リセドロン酸ナトリウム水和物は中止し、ラロキシフェン塩酸塩に変更した。しかし、4ヵ月後に椅子から転落して完全骨折となり、髄内釘による骨接合術を施行した。術後経過は良好で、骨癒合も得られたが、術後約1年が経過した頃に右股関節痛が出現して歩行困難となり、単純X線像で右大腿骨頸部骨折を認めた。髄内釘を抜去して人工骨頭置換術を施行し、1年7ヵ月経過時点で新たな骨折は認めていない。
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