臨床室
手根管症候群を合併した前骨間神経麻痺の1例
坂本 拓己
1
,
大木 央
,
平井 貴之
,
本定 和也
,
小久保 安朗
1福井大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
MRI
,
手根管症候群
,
回内筋症候群
,
手根管解離術
,
神経剥離術
Keyword:
Carpal Tunnel Syndrome
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
pp.1360-1363
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017097317
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76歳女性。既往として関節リウマチ(RA)を有していた。今回、3ヵ月前より誘因なく右母指・示指の屈曲障害が出現し受診となった。精査の結果、手根管症候群を合併した前骨間神経麻痺と診断され、保存的治療を4ヵ月間行うも症状の改善がみられなかったため、手術的治療を行った。本症例では手術所見からRAによる滑膜炎により正中神経および前骨間神経が周囲の軟部組織と癒着していたことが原因と考えられ、神経剥離術を施行した。術翌日より手指のしびれは軽快し、術後2年の時点で母指・示指の屈曲が可能となり、ピンチ動作も可能となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016