発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008060714
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77歳女。左母指・示指・中指・環指のしびれ感と痛みを主訴とした。3年前に左手根管症候群に対する左手根管開放術の既往があった。左母指球筋は萎縮し、perfect O形成は困難であった。単純X線像では左手関節三角線維軟骨複合体部にびまん性の石灰化像を認め、左手根管撮影像では手根管内に石灰化像を認めた。手関節以外の単純X線像では右膝正面像で外側半月板の線状石灰化を認め、腰椎CTではL5/S1レベルで黄色靱帯に石灰沈着像を認めた。左手根管症候群再発の診断で左手根管開放術を施行した。横手根靱帯部は瘢痕化し正中神経は同部で圧痕と充血を認め、正中神経の手根管内橈側と背側に白色腫瘤を認めたため摘出した。腫瘤はどちらも5×5mmであり、手根管内滑膜は中等度増生していた。術後3ヵ月現在、手指の痛み、知覚障害は消失し、母指球筋の萎縮も改善され母指対立運動も可能となっている。
©Nankodo Co., Ltd., 2007