臨床室
腱形成を行い二次縫合可能となった陳旧性長母指屈筋腱断裂の1例
小泉 雅裕
1
1新潟県立中央病院 整形外科
キーワード:
バイオフィードバック
,
腱損傷
,
自動運動療法
,
縫合法
,
職業性外傷
,
長母指屈筋
Keyword:
Biofeedback, Psychology
,
Suture Techniques
,
Tendon Injuries
,
Occupational Injuries
pp.1365-1367
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017097319
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22歳男性。仕事中に包丁で左母指を切ってから左母指指節間(IP)関節屈曲不能となり、受傷後約7週で手術目的で紹介となった。臨床経過および画像所見より、陳旧性長母指屈筋腱断裂と診断され、受傷後8週に腱形成を併用して二次的に端端縫合した。術翌日より伸展ブロックスプリントの中でのrubber band tractionに加え、Duran法を開始し、術後3週でスプリントをはずしての自動運動を、5週よりIP関節のブロッキング訓練を開始した。徐々にIP関節の自動屈曲は回復し、術後3ヵ月で調理師の仕事に復職した。術後1年4ヵ月の時点で母指自動ROMは中手指節間関節25°/72°(健側0°/60°)、IP関節-5°/55°(健側15°/75°)、%TAMは91%で、日本手外科学会長母指屈筋腱機能評価ではexcellentであった。
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